イオングループ15社以上でChatAIを活用。
「現場主体」で加速する、イオンデジタルアカデミーの生成AI推進。
小売業にとどまらず、ディベロッパーや金融、サービスなど幅広い領域に事業を展開し、それぞれが高いシナジーを創出している『イオン株式会社』(以下、イオン)。約300社の連結子会社などで構成(2025年2月末日時点)され、約60万人のグループ従業員を擁する同社では、グループ全体で生成AIの活用を進めている。
その中核を担うのが、単なるシステム導入ではなく「DXを自分ごととして捉え、身の回りの課題解決に向けてデジタルを活用する文化づくり」をミッションとする「イオンデジタルアカデミー」だ。そのイオンデジタルアカデミーが現場からの声をもとに「ユーザーローカル ChatAI(以下、ChatAI)」を導入した。(イオンデジタルアカデミーの取り組み)
同グループではChatAIの活用を広めるため、実際に現場で活用している従業員が講師となる勉強会を展開するなどさまざまな施策を行い、現在ではイオングループ15社以上で活用が広まっている。ここでは、ChatAIの導入背景からグループ全体に普及させるための取り組み、各現場での活用方法などについてお話を伺っていく。
沖中 優宜 氏
野村 香菜 氏
名取 勇太 氏
導入背景
ChatAIは従量課金がなく固定料金で使用できるため、利用者だけでなく導入担当者にとっても心理的ハードルが低く、生成AI活用を推進できる。
2023年、世間への急速な広まりを見せる中、イオンデジタルアカデミーはグループ内で生成AIに関する情報発信を開始した。「当時はまだグループ内で生成AIがほんの一部でしか活用されていない段階でしたが、構造や使い方など基本的な内容を伝えると、各現場から『すぐ使ってみたい』と声が上がるほどの反響がありました」と語るのは、イオンデジタルアカデミーの沖中氏だ。
この反響がきっかけとなり、イオンデジタルアカデミーでは希望者1,000人を募って、生成AIを実験的に導入した。「現場で生成AIを使ってもらったところ、Officeソフトとの連携や自社のデータを読み込ませた活用など、新たなニーズが見つかりました。また、使えば使うほど費用がかかる従量課金では予算が組みにくいため、固定料金であってほしいなどの要望も上がりました」と沖中氏は当時を振り返る。
そこでイオンデジタルアカデミーでは、セキュリティに関する不安を払拭するためにセキュアな環境であること、現場のニーズが強かったRAG機能が搭載されていること、固定料金であることを条件として生成AIツールを模索し、ChatAIの導入に至った。
特に、固定料金であることは利用者の心理的ハードルを下げ、浸透と定着を促進する効果があったという。「生成AIへの指示の出し方や機能の使い方は、試行錯誤しないとなかなかコツを掴めません。従量課金だと試すことをためらってしまう人もいますが、ChatAIは固定料金のため『失敗を前提として問題ないので、積極的に試しましょう』と伝えることができます。実際に『気を遣うことなく、いろいろと試すことができました』と答えてくれた人もいます」と沖中氏は教えてくれた。
活用方法
「従業員を講師にした勉強会」や「部署を限定したトレーニング」で活用が浸透。本社や店舗からも多彩な活用事例が誕生。
生成AI導入後、まずは利用率を上げるため、グループ内でプロンプトのテンプレートを社内ポータルサイトへ掲載することにした。具体的には、議事録作成やアイデア出しなど、すぐに使えるものを20個ほどだ。
デジタルアカデミーのメンバーは、「しっかりとしたテンプレートを用意したから、これで生成AIの利用率があがるだろう」と考えていたものの、実際にはテンプレートはほとんど使われず、利用率も伸びなかったという。
その原因は、60万人のグループが抱える「多様性」にあった。「例えば、同じイオングループの総務部と言っても、会社ごとに議事録の取り方やルールが異なります。そのため、提供したプロンプトがそのままでは使えず、活用が進みませんでした」と野村氏は振り返る。
その一方、反響が大きかったのは、月に1回行われている「従業員を講師にした勉強会」だ。「テンプレートをそのまま提供するのではなく、生成AIを積極的に活用している人を呼び、『生成AIとどう向き合っているか』『どんな失敗があり、どう壁を乗り越えたか』といったプロセスや姿勢を共有してもらっています。そうすることで参加者が自分ごととして捉えてくれます」と野村氏。
ユーザーローカルも登壇した回では、600人もの申し込みがあった。「勉強会はお昼休みの30分で行います。それでも学びたいという従業員が600人も集まってくれました。これはよい傾向だと感じています」と手応えを感じている。
さらに、イオンデジタルアカデミーでは対象を絞って「グループ内の総務部向けプロンプト実践トレーニング」を実施した。案内時には初心者向けだと記載したことで参加のハードルが下がり、規定以上の応募が集まった。最終的に、役職を問わずグループ9社から23名が参加し、1ヶ月間、週1回のペースでトレーニングを行った。
対象部署を限定したことで課題に対する共感が生まれ、参加者同士での交流は活発だったという。「トレーニング内で共有された事例をグループ全体で共有しても、響く人は少ないかもしれません。しかし、特定の部署で見ると、同じ課題で困っている人たちが大勢います。部署を限定したトレーニングは、その課題を解決できる素晴らしい方法だと感じました」と野村氏は語る。
トレーニングの成果は、すぐに具体的な業務改善として表れた。ある参加者は「防災訓練のシナリオ作成」にChatAIを活用するようになった。毎年、法律や社内ルールは変更されるため、前年のシナリオを流用することはできない。従来3日間かかっていたシナリオ作成業務がChatAIを活用することで、1日もかからずに完成できるようになった。また、丸3日間かかっていた業務は、担当者の心理的な負担も非常に大きかったが、「ChatAIを使えば7〜8割程度のシナリオはすぐに作れるようになったため、気持ち的にも楽になりました」と、ChatAI導入後の効果を語る。
・ 対策本部長
a.対策本部長は社長とし、対策本部を統括する。
b.対策本部長代行は、対策本部長が任命し、対策本部長の不在時はその職務を
② 事務局
(委員)対策本部事務局長は各社管理担当役員または、総務部長とし、本部要員は事務
a.現地対策本部組織図の作成と周知
b.対策本部会議の招集と準備・運営
c.本部委員及び各対策プロジェクトの任務遂行の確認
d.本部委員・本部要員・応援者の移動・宿泊・食事その他の対応
③ 本社対策
(委員)事業本部長、運営部長で構成する。
(任務)事業本部長の指示のもと次の任務を遂行する。
a.店舗・センターの地震発生以降の定期的な被災情報収集・集約と共有、及び対策の指示
b.店舗・センターの防災組織の稼働状況と指示
c.店舗営業状況(営業休止、営業再開、店頭販売)、センター稼働状況の情報収集・集約と共有、及び指示・支援
d.商品需給状況の集約、及び商品手配等の商品部への要請
④ 人事関連対策
(委員)人事総務本部長、人事部長で構成する。
(任務)人事総務本部長の指示のもと次の任務を遂行する。
a.従業員安否確認実
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他にも例えば、販売促部門が文章の校正をする際にも使用されている。グループ内のある会社では各店舗ごとで、チラシや掲載物などの販促物が作成されていたり、各店舗ごとのSNSアカウントも存在する。こうした各店舗から発信される販促活動を確認する業務は、非常に膨大で繊細だ。
「イオンでは『お客様』ではなく『お客さま』と表記するなど、独自のレギュレーションがあります。そうしたルールをChatAIに読み込ませることで、どのような文章でもレギュレーションに沿って修正できるよう活用しています」と名取氏は教えてくれた。
ChatAIにアップロードすることで投稿に炎上のリスクなどが無いかをAIが判定
グループ内のある部署では、店舗から多岐にわたる問い合わせが寄せられており、その回答の標準化にも活用されている。「店舗からは『熱中症の人が出たが、この後どう対応すればいいか』『事故報告を誰に送ればいいか』といった問い合わせが多く寄せられます。その際、担当者が変わっても正しい回答を担保できるよう、過去の回答事例をChatAIに学習させています」と、現場主体で様々な活用が広がっている。
効果・成果
イオングループ15社以上でChatAIを活用。
来年度の「100事例創出」に向けて、現場とともに活用を進めていく。
ChatAIの導入は、イオンのDXに確かな変化をもたらしている。ChatAIは、イオングループ16社・約3,000アカウントへと着実に拡大し、「昼休みの勉強会にも多い時で1,000人近くの申し込みがあります。これだけ生成AIに興味を持つ人が増えたことは、1つの大きな成果だと捉えています」と沖中氏は語る。
イオンデジタルアカデミーのミッションにもあるように、従業員自らが現場に即したユニークな事例を生み出す文化は少しずつ醸成されている。最近ではChatAIのエージェント機能の活用を試みている従業員もいるようだ。単に資料を要約させるだけではなく、資料をアップロードしたうえで外部情報も取得し、正確かつ深い分析をもとに業務に活用している事例も出始めている。
今では月1回の勉強会によって年間で12の事例が共有されているが、イオンデジタルアカデミーはChatAIの活用をさらに加速させるべく、来年度は100事例の創出を目指している。
「事例をただ探しに行ったり、報告を待ったりするのではなく、私たちが現場と一緒に作ることを大切にしています。目標として掲げた『100事例』とは、デジタルアカデミーが現場メンバーやユーザーローカルさんとも連携しながら、共に創出していくという決意の表れです」と名取氏。
「デジタルやDXの世界は『面白そう』『こんなこともできるんだ』という気づきが大切です。私たちイオンデジタルアカデミーに相談すれば『何か新しいことが学べるのでは』と思ってもらえるように、これからも知見を深めつつ、グループ全体にAI活用の発信を続けていきます」と沖中氏は今後を見据えている。
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