2日ほどかかっていた業務が30分で対応可能に
提案書作成やコード生成、文章校正や問い合わせ対応と幅広く活用
とにかく使いやすくて、ツールに詳しくなくても扱える点が大きな魅力
1968年にダイレクトメールの発送代行会社として創業した『株式会社アテナ』。時代とともに変化する顧客ニーズに寄り添いながら、ロジスティクスやプリント、コンタクト、データ処理、DXといった総合BPO企業として成長し、現在では公的機関(行政事務の総合的サポートなど)や金融機関、教育、出版や広告代理店など多彩なフィールドでの多種多様な業務サポート、課題解決を実現するサービスを展開している。
人を介さなければ対応できないきめ細やかなコンタクト業務やロジティクス全般業務に加え、創業50周年となる2018年には、DXを前提とした経営ビジョンとビジネスモデルを表明。AIなどのテクノロジーも積極的に採用し、リアルとデジタルのサービスを最適に組み合わせた「クロスファンクショナルBPO」を提唱している。DX推進の取り組みにおいて避けては通れない生成AIの利用にあたり、同社ではどのような経緯でChatAIを導入し活用しているのか?ここでは、デジタル戦略部のみなさまにお話を伺っていく。
導入背景
セキュリティ面の安心感と多彩な機能、費用対効果などの点からChatAIの導入を決定
生成AIガイドラインを策定し、丁寧に社内周知を深めていった
総合BPO企業として50年以上の歴史を誇る『株式会社アテナ』では、リアル×デジタルの複合サービス「クロスファンクショナルBPO」(https://www.atena.co.jp/strengths)を提唱し、DX推進にも注力をし続けている。こうした中、2023年初頭より社内でもChatGPT利用の動きが活発化したという。谷口氏は「生成AIはさまざまなシーンで活用できる革新的な技術で、弊社にとっても有効的に活用できる技術であると早々に着目していました。“これは近く日常的に使うのが当たり前になるうえ、いち早く使いこなしておかないと取り残されてしまう”と感じており、生成AIツールの導入検討に入りました」という。
セキュリティ面と機能面、費用対効果といったポイントでツールの精査をする中で、
- セキュリティ面での信頼性
- 機能面の充実度
- 従量課金ではなく固定料金且つ、1ユーザーあたりの単価を抑えられる
という点から、ユーザーローカル社のChatAIの導入を決めたという。当初は社内でもセキュリティ面で懸念の声があったというが、ChatAIで利用したデータはAIの学習に使われない安全な環境で利用できるという点と、ユーザーローカル社の過去実績が豊富で信頼が持てた。また、機能面の多彩さや、コストの面でも納得感が強く、採用へとつながったという。
社内導入を進めるにあたり、まずはデジタル戦略部の開発チーム数名で2023年9月に評価をスタート。その際に「活用方法や適切なプロンプトの作成方法、やってはいけないことなどを明記した生成AIガイドラインを策定したうえで希望者を募り、このガイドラインをベースに説明会を行いました」とは谷口氏。また、アカウントを付与したユーザーへは、2週間に1回程度のヒアリングの機会を設け、使用感や課題を共有し、初期トレーニングとして勉強会も行っていったという。
トライアル期間でユーザー数も順調に増え、さらに「直感的にユーザーの利用統計やキーワード検索の状況が把握できる管理画面の使いやすさも魅力でした」(谷口氏)と、2024年1月に本導入を決定したという。
活用方法
とにかく使いやすくて、ツールに詳しくなくても扱えるのが大きな魅力
提案依頼書の精査から文章作成時の適切な校正、さらに複雑なプログラムコードの自動生成に加えてテストパターンの洗い出しにもChatAIが大活躍
本格導入後、デジタル戦略部でChatAIの活用を深めながら、希望者70名ほどのユーザーに対して、説明会や相談窓口としても対応しているのが山口氏と竹内氏だ。ここからは、お二人に社内でのChatAI の使用感、活用方法について伺っていく。
「とにかく使いやすくて、ツールに詳しくなくても扱えるのが大きな魅力です」と即答するのは竹内氏。「選定時に決め手の機能となった『カスタムチャット』は、とても重宝しています。通常だと、チャットの目的ごとにプロンプトを組んでからチャットを開始する必要があるのですが、『カスタムチャット』では、あらかじめ目的に応じたプロンプトを組んだ状態でチャットができるのでとても便利です。今では複数用意していますが、特に活用しているのは“文章校正”の『カスタムチャット』です。」
山口氏によれば「外部に提出する企画書や依頼書、ご案内などを含むメール本文の添削にも活用しています。入力した本人では気づけない抜け・漏れや文章校正を、かなり適切に指摘してくれるので、とても重宝しています。活用しているユーザーもとても多いですね」という。
[Role]:プロの業務コンサルタント
[Output]:提案書
添付のRFP資料を分析し、[Role]としての新規引合いに対する[Output]作成に必要な情報を抽出する。
業務内容、必要な人員体制、機器・ソフトウェアの要件を[Role]レベルで推測し、詳細に表形式でまとめる。
更により具体的な解決策、戦略、価格設定を明記する。
推測に基づく情報はその旨を明記する。
以下の制約条件に基づいて作成する。
・業務内容の分析:添付資料から、具体的なサービス要件(カスタマーサポート、データ処理、会計など)を読み取り、それらを表形式で明確に記載する。
・人員体制の分析:資料から人数やスキルセットを抽出し、不明瞭な部分は業務コンサルタントとしての推測に基づき記載する。
・機器・ソフトウェアの分析:必要なハードウェア、ソフトウェアの要件を資料から抽出し、不明な部分は設備設計の観点から推測する。
・提案書は日本人のビジネスマン向けで、必ず日本語で出力する事。
また、営業部門では提案依頼書(RFP:企業が情報システムの導入や業務委託を行うにあたり、発注先を選定するために候補となる企業に具体的な提案を依頼する文書)などの精査にも活用。「記述されているシステムの目的や概要、要件や制約条件の確認にはかなりの時間が必要でした。しかも、企業さまによっては表記やフォーマットも違うので、確認するだけで骨が折れるのですが、こうした依頼書から漏れなく必要情報を抽出しスッキリとまとめてくれるので、重宝しています」とは山口氏。
また、プログラムコードの自動生成にも大いに役立てている。「例えば、フォームを作成したいときに、参考フォームをスクリーンショットで撮り、ChatAIに“エクセルでこの画像のようなフォームを作りたいのでコードを作成してください”というプロンプトを入力すれば、HTMLコードがわずかな時間で自動生成されます。自力では作れなかったコードを手軽に作成できるばかりか、苦労して時間をかけて作るよりも見やすくてクオリティの高いフォームが作成できるようになりました」と竹内氏。
山口氏は「100%完璧なプログラムコードができるとは言わないまでも、80%ほどは正しくコードが生成できるというのは、とんでもないツールだな、という感覚です。既にテストパターンの洗い出しなど、大いに役立てています」という。
効果・成果
文書の精査やプログラミングなど、特定の業務においては2日ほどかかっていた業務が30分で対応できるように
また、複雑な開発など担当者ではできなかった業務もChatAIを使うことで実現可能になった
こうした活用と社内での勉強会などの機会が広まるにつれて、社内でのChatAI利用者数は増えており、現在では導入当初の約7倍のユーザーが活用しているという。導入からおよそ半年、ChatAI導入による成果・効果について伺うと、山口氏は「あくまでも体感ですが」と前置きしつつ「プログラミングについては、これまで2日かけて作成していたコーディング作業は、ものによっては30分ほどでできるようになっています。コード作成だけでなく、リファクタリングなど、変数をシンプルに整えた上でコードを生成してくれる。アウトプット時のクオリティも高くなったことを考えると、手間や工数、作業時間でいうと比較にならないほど楽になったと実感しています」と大きな手応えを語る。
竹内氏は「複雑なプログラム作成時でもChatAIを使うことで、納期が従来の2分の1ほどに短縮できている感覚があります。作業効率化はもちろんですが、活用している側からすると、ChatAIによる効果を強く感じているんです。これまでだと“この納期ではできない”とよぎっていたプログラムの案件でも、納期内に作成するスケジュールを組むことができるようになり、時間的な余裕ができたことで、より使いやすいサービスをご提供するためのアイデアや工夫に使う時間は圧倒的に増えたと感じています」と、仕事に対する視点が変わったと語る。
文書の精査、文章の作成・添削やプログラミングなどでもChatAIの活用しており、「ChatAIによって、自分自身の能力を拡張させることができると感じています。少なくとも、プログラム作成や文書の精査など、これまで1人の力では不可能だったことが、可能になるというのはとてつもない成果だと捉えています」とは山口氏。
最後に、今後の展望について伺うと、山口氏は「ChatAIは、独自アルゴリズムによって、弊社にフィットしたテキストを生成してくれる性能がずば抜けていると感じています。しかも、料金はそのままで魅力的な追加機能もどんどん増えているので、こうした新機能を取りこぼさずに有効活用していきたいですね。やがては、熟練した人材でしかチェックできなかったような業務が、プロンプトを作りこむことでChatAIに任せることができるようになれば、クリエイティブな業務に人材をさくことができ、属人化の解消、工数削減にもつながると感じています」とさらなる活用を見据えている。また、竹内氏が「初心者でもプログラミングができてしまうので(笑)、社内全体でもっと活用してもらえるように、認知を広めていきたいです」と語ると、谷口氏は「これまで半年ほど活用してみて感じているのは、新たな機能の追加だけでなく、使用感など全体的なアップデートも含めたChatAIの進化のスピード感です。これからはChatAIを活用できるか否かで、個人の生産性にも差が出てくると感じています。これまではヘビーユーザーを育てることに注力してきましたが、今後はさらに活用できるユーザーを増やすことで、活用方法の可能性を探りながら、さまざまな部署で業務効率化と生産性向上といった効果が生み出せるのでは、と考えています」と語った。
利用申し込み
- 同業企業様、学生の方のお申し込みはご遠慮いただいております。
- 法人アドレスでお申し込みください。(フリーアドレスでのお申し込み不可)
- 弊社担当より製品説明会や勉強会などのご案内の連絡をさせていただくことがあります。
- ご記入いただいた情報につきましては、カタログ資料の送付や弊社からのご連絡の目的以外に利用することはありません。
- このサイトはGoogle reCAPTCHAによって保護されています。
プライバシーポリシー ・ 利用規約