注目を集める生成AIをどのように企業活用していくか――
いち早くChatAIを導入し活用を進めている『株式会社フォーバル』の事例から導入のポイントと活用のコツをご紹介

“次世代経営コンサルティング”を掲げ、全国の中小・小企業への企業支援を行い、社会価値を創出する『株式会社フォーバル』。1980年の創業以来、「情報通信」「海外」「環境」「人材・教育」「起業・事業承継」と幅広いフィールドで伴走型支援を行い、中小・小規模企業の利益に貢献し続けている。また、地方自治体や教育機関と「産官学連携」を図り、次代のデジタル人材である「DXアドバイザー」を輩出しながら、地方中小企業の未来の活性化・地方創生なども展開する。

次世代の技術やツールを提供する一方で、社内においても積極的にDX推進を展開し、事業の戦略精度向上と効率化を目指しており、ChatGPTにもいち早く着目。そうした中で同社が社内導入に選んだのが法人向けAI生成サービス「ユーザーローカル ChatAI」。

本サービスは、現在注目を集めているChatGPTを企業内で安全に利用でき、自社データとも連携できる生成AIプラットフォーム。利用したデータがAIに学習されないセキュアな環境を簡単に構築ができ、個人情報や機密情報が含まれるメッセージは、重要情報をフィルタリング処理して取り除いたうえでChatGPTに送信ができる。

今回は、『株式会社フォーバル』にて、社内システムサポートなどを担当する富永紘太郎氏が登壇した『User Local Customer Conference 2023』より、「ChatGPTを社内導入するためのコツと注意点」についてのセッションレポートをお届けする。

株式会社フォーバル
※企業紹介と、ChatAIの概要(太字箇所にしております)を盛り込ませていただき、事例導入とさせていただいております。
株式会社フォーバル
アイコン事業本部アイコンGDX事業推進室システムサポート部
富永 紘太郎氏

課題

セキュリティリスクの大きさから導入にあたって社内で大きな課題となったChatGPT
懸念点をすべて解決でき、機能面も充実したツール「ユーザーローカル ChatAI」が登場!

2022年12月にリリースされた「ChatGPT」の登場で、誰でも簡単に生成AIを使える環境となり、わずか2か月でユーザーが1億人を突破する爆発的な普及をみせた。その一方で、ビジネスシーンでの活用においては、安全性への懸念や、費用対効果を生み出せるかどうかといった点で社内導入・活用に踏み切れないといったの声が絶えないもの確かだ。そうした中で『株式会社フォーバル』では、ChatGPTリリースの同時期にいち早く「生成AI活用プロジェクト」を始動したという。

富永氏は「ChatGPTの登場によって、多くの企業が変換期を迎えるにあたり、当社も例外ではありませんでした。伴走支援業務の効率化を実現するための基盤を、いち早く生成AIを活用して構築する必要性を強く感じています。また今後、生成AIを使う企業と使わない企業で、格差が生じることは明確です。そこで、社内に生成AIを普及させようと考えました」と語る。だが、導入に際しての最も大きな壁は社内稟議にあったという。

株式会社フォーバル リテール事業部 リテール戦略グループ 戦略担当 主査 恵木 基之 氏

「社としてChatGPTを積極的に活用したいという意向があった一方で、利用したデータがAIの学習に使われてしまうのではといった情報漏洩への不安や、 社員が業務外の目的で利用してしまうのではないかといった懸念など、セキュリティ面や社員の利用状況をどのように管理するかが大きな課題になりました。そこで、“学習に利用されないセキュアな環境”、“ユーザーの利用状況の把握”、そして“法人契約が可能”という選定基準でツールのリサーチを展開。そこで出会ったのが『ユーザーローカル ChatAI』(以下ChatAI)でした」という。

導入の決め手となったのは「GPT-4という高精度な生成AI」が使えて、「社外で学習に利用されないセキュアな環境」、「使いやすくリアルタイムで利用者状況が把握できる管理画面」、「法人契約が可能」というすべての要望を満たす点だった。そのうえで、「生成AIの利便性は、これまでのツールとはワケが違います。ますます生成AIが世界に浸透していく中で、まずは社内監視下で利用を推進し、早期に問題を洗い出して解決することが何より重要」という富永氏の意見が社内でも理解され、導入に至ったという。

解決策・運営方法

ChatGPT社内テストマーケティングの3つのポイント!まずは社員の自由な発想に任せて、活用方法を探る

導入後に行ったのは対象社員へのテストマーケティング。「どのようなツールでもそうですが、まずは使ってみてツールに慣れることで“使いたい気持ち”を培うことが重要です。そこで、役職や職種、社歴を問わずに幅広い層の社員を対象とした検証結果を得るべく、“どう活用したいか”、“ChatAI利用のアイデア”といったアンケートを用いて希望者を募り、上限80名に対して135名の応募がありました」という。

社内公募では、社員が選定をすると社歴や役職などの情報から偏りがちになってしまうという観点から、アンケートをもとにChatAIで採点し選定したユーザー80名に対して、以下3つの準備の上でテストマーケティングを実施した。

①生成AIに対する質問文(プロンプト)をあらかじめ管理者側でテンプレートとして準備。社員が使いそうな用途に合わせて、効果的な回答を得やすいプロンプトを用意することで活用促進を目指した。

②就業規則や、製品マニュアルといった社内ファイルをアップロードし、ChatGPTにはない社内情報を学習させることでChatAIの対応幅を広げた。

③親しみやすいキャラクターを設定。メガネをかけたかわいくて賢いフクロウ『フクロン』のキャラクターは振る舞い設定で付与。

こうした準備のもと、テストマーケティングを行ったところ、多くのユーザーが積極的にChatAIを活用した。管理画面で「ユーザーの使用履歴の確認、分析が容易で、頻出単語の自動抽出も簡単。こういた分析を行うことで、ユーザーがさまざまな用途でChatAIを活用していることもわかりました」という。

また、富永氏はポイントとして、ChatAIの活用はユーザーに任せて展開したという。「業務・業務外を問わず、また使い方も指定せずに自由な発想でChatAIに触れてもらうことで、創造力や自主性を高めて、予期しないChatAIの活用方法も見出していければ、と考えました」。その一方で、効果的な使い方をできるユーザーは多くないという結果も表出したが、プロンプトやChatAIの使い方の勉強会を実施することでコツを掴み、さらなる利用頻度の向上を目指すこともできる手ごたえも感じているという。

成果

「アシスタントが一人増えた感覚」業務スピードが上がり、効率化が進んだという声も!個社に特化したChatGPT利用環境の構築で、セキュリティリスクの懸念を払拭し、ユーザーニーズも把握にも寄与

導入したことで多くのメリットが得られたと語る富永氏。まず、社内で懸念されていたセキュリティリスクについては「ChatAIでは、入力された文章が学習に利用されないうえ、個人情報入力への対策については、AIによるマスキング機能もあるので、生成AI導入でネックとなる、セキュリティ対策がしっかりとされており、安心して活用ができています。また、手元のファイルをアップロードすることで、簡単に自社データと連携をすることができ、より個社に対応した活用が可能になります。もちろんこの機能は、通常のChatGPTにはできません」。使い勝手の良い管理画面も大きな特長という。「ユーザーがどんな質問をして、どんな回答を得ているかをリアルタイムで確認できるので、ユーザーにニーズ把握をしながら、使い方の是正を的確に行えます」とも。

そして、コストパフォーマンスの高さもメリット。「セキュアな環境で活用でき、かつこれだけの高機能を備えていながら、ChatAIは、公式のChatGPTや類似製品よりも、非常にリーズナブルな価格設定なのが大きな魅力。新たにChatGPTを試験導入する企業にとってハードルは低くなるのではと考えています」

使用したユーザーからは「アシスタントが一人増えた感覚で、業務量、業務スピードが上がった」、「調査・準備の目星をつけるときに有効。大きく時間の短縮になり、知ってしまうと後戻りできなくなり、なくなると困る」といった声も多く挙がったという。

こうした利用状況と導入効果を踏まえ、富永氏は「生成AIはリテラシーが高くない人でも一定以上利用できるうえ、リテラシーが高い人の能力を伸ばしつつ、低い人の能力を底上げすることができると考えています。今後は、生成AIの進化スピードについていける企業体制の構築と、生成AIを使いこなすことのできる人材育成の実現を目指して、社員全員がChatAIを使いこなせる体制にしていきます」と力強く語った。

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