ChatAIを全社展開し利用率98%を達成
年間2万時間の業務時間削減を見込む老舗商社の生成AI活用
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エレクトロニクス商社とケミカルメーカーとして、電子デバイスなどの最先端技術と、環境配慮型の石油化学・水処理など次世代の工業薬品を扱い、市場価値を創造し続ける伯東株式会社。電子・電気機器のカスタマイズから保守・点検までのトータルサポートや、自社技術を生かした化粧品「TAEKO」ブランドの企画・開発・製造など、多岐にわたる事業を展開している。
多くの海外拠点を持ち、グローバル人材の活躍・育成にも注力。同社は業務効率化と提供価値向上、次世代人材育成を見据えたDX戦略の一環として、ユーザーローカルのChatAIを本格導入した。導入1年後の現在も「セキュアで使い勝手がよく、統合管理ができ、コスト面も優秀」と評価されるChatAIを、同社はどのように活用しているのか。導入背景から成果まで、デジタル戦略推進部に聞いた。
コーポレートインテリジェンスユニット
デジタル戦略推進部 部長 大谷 浩実 氏(右)
DX推進グループ グループ長 薮根 正樹 氏(左)
DX推進グループ スペシャリスト 浅田 晋吾 氏(中央)
導入背景
トライアル利用者の95%以上が効果を実感
機能面・コスト面ともに評価が高く、ChatAIの導入を決定
2024年4月にDX推進部署を発足、翌2025年4月に情報システム部から“デジタル戦略推進部”へ部署名称を変更。更にデジタルへ舵を切り、顧客起点の価値創出を見据えた全事業横断での業務プロセスの抜本的な改革と効率化を図るべく、社内向け生成AIの導入を進めた同社。大谷氏は当時を振り返り、「セキュアな環境で自社にフィットした生成AIツールを導入する議論が社内で深まったタイミングでした。ただ、生成AIを導入するのであれば全社員に使ってほしい、デジタルに触れてほしいという思いがあり、ツールの選定や活用ロードマップの策定などを進めました」と語る。
コーポレートインテリジェンスユニット デジタル戦略推進部 部長 大谷 浩実 氏
ChatAIの決め手となったのは、セキュリティ面への信頼と導入コストが安い点に加え、最新の生成AIモデルが使用でき、ユーザーを統合的に管理する管理画面の機能が充実していることだ。「機能とコスト、そこがバッチリ弊社とハマりました」と大谷氏は笑顔を見せる。
ChatAIの全社導入にあたって、まずは2024年秋にトライアル導入を実施。その際、薮根氏は「ユースケースの紹介と体験価値を向上させるためには、弊社にフィットしたロードマップが必要だと考えました。まずはDX推進者や各部門の上長に加え、生成AIに興味があるコアな社員を中心に、部署を横断した130名を対象にトライアルを開始。そこで生成AIへの知見を深めながら意見交換を行い、個別の小規模な効率化を目指しました。そのうえで、そのメンバーにプレゼンターとなってもらい、全社員対象の勉強会を開催して周知を図る流れを工夫しました」と語る。
DX推進グループ グループ長 薮根 正樹 氏
トライアル終了時には、95%以上のユーザーから「業務効率化に貢献する」という回答を得るなど、大きな手応えと反響があり、2025年4月には全社員を対象にChatAIの本導入を決定した。
活用方法
汎用的な業務に使えるテンプレートから、専用業務でも効果が出る専用のRAG環境まで、業務や用途に合わせて整備
DX推進グループ スペシャリスト 浅田 晋吾 氏
当社の事業や職域は多岐にわたることから、「職域によって聞き方や表現も違うので、大量にプロンプトを用意しても使ってもらえないのでは、と考えていました。そこで、どの職域の社員でもパッと見でわかりやすく、サッと聞けるテンプレートを目指しました」と話すのは浅田氏。
ChatAIには、各社で自社専用のプロンプトを気軽に活用できるようテンプレートとして作成し、ユーザーに展開ができる機能がある。同社はこの機能を駆使し、メールやレポート作成、原稿の校閲といったビジネス全般で使用するものを用意した。また、化学関連や装置関連といった各種製品に関する専門的な情報を回答できるよう、専用環境をRAGで構築。「業務マニュアルやさまざまな製品カタログが、職域に合わせた表現で適切に返答が得られ、しかも一目で求める回答を導き出すことができるように」と話すのは浅田氏だ。
全社員へ生成AI活用を推進する同社では、管理画面の使い勝手も重要だという。薮根氏は「管理画面は毎日のようにチェックしています。ChatAIの管理画面はグラフで表示でき、見やすく使いやすいのが特長です。部署別・機能別に利用回数も確認できるため、社内の利用状況をすぐに把握できます。良い使い方は社内で事例として共有できるので、とても重宝しています。また、生成AIからの回答を評価できるGoodボタン、Badボタンの活用も重要です。弊社では定期的にGoodやBadが多い用途の傾向を分析し、プロンプトやRAGの調整を行っています」と語る。
また、各種製品情報や企業情報の分析、同社の展示会や社内資料などに使用する画像作成にはエージェント機能も活用している。目的に応じた分析や解析を自動的に行い、より適切な要約情報の抽出や精度の高い画像生成を可能にしている。「目的に応じたPowerPointのスライド生成など、エージェント機能は新たなアイデアや提案次第で活用の幅がまだまだ広がると感じており、注目しています」と浅田氏は期待を込める。
効果・成果
導入1年で利用率は98%、年間2万時間の業務時間削減
ChatAIは業務のインフラになりつつある
ChatAIの導入から1年が経過し、利用率は98%と非常に高く推移している。そういった中で、企業文化の大きな変化も感じているというのは浅田氏だ。「翻訳・要約の使用頻度が高く、その利用者は営業から技術者まで、幅広い職域の社員に及びます。海外拠点から送られてくる製品や新商品の説明などは、英語で書かれているものがほとんどです。まずはChatAIに投げて翻訳し、要約するということが習慣になっています。また、ChatAIやプロンプトの活用方法は社内で共有しながら浸透を図っており、全社的なリテラシーの高まりも感じています。」
同社では、ChatAIの全社的な活用推進によって年間2万時間の業務削減を見込んでいる。浅田氏は「ユーザーローカル社のサービスは、新たな機能の追加や勉強会の開催など、一度ライセンスを購入すると付加価値がとても大きいんです。サポートをいただきながら、ChatAIの活用をさらに深めるためのワークショップや勉強会は、今後も積極的に実施していきたいと考えています。業務改善だけでなく、デジタルスキルの共有や新技術のアイデア創出などの面からも、インフラとしてChatAIは外すことができないと強く感じています」と話す。
最後に大谷氏に、今後の取り組みについて伺った。「ChatAIが社内的に浸透し、活用する人が増えてきたことで、これからは全社的に業務効率化にとどまらず、さらなる収益化に向けてシフトしていくステージに入っています。そのうえで、進化し続けるAIを活用するためには、やはり使う側である私たちの学びやスキルアップが必須です。これからのAIをさらに深く活用していくためには、社内ですでに育ちつつあるChatAIを使いこなせるマネージャー層を増やし、育成を一層進めていくことも必要です。これからも、学習と実践をベースにChatAI活用の体制を整えていきたいと考えています」と今後の展望を見据えた。
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