文章作成、校正、デザイン、プログラムコード作成、SNS投稿文の自動生成など、多彩なシーンでChatAIが躍動
作業クオリティ向上という効果に加え、業務によっては工数・時間が軽減という成果も
1933年に創業、1970年に大分支社を開設。91年にわたって培ってきた確かな印刷技術を誇る『小野高速印刷株式会社』(以下、小野高速印刷)では、現在、印刷コンサルティング、ホームページ制作・管理、SEO/アクセス解析といったWEB事業、動画制作、システム制作、ワンストップで高効率な封入・発送代行・在庫管理事業に至るまで、多種多様な事業を展開している。企画・デザイン・出版といったクリエイティブな技術に加えて、顧客管理・マーケティングといったマネジメントまでカバーする多彩な事業領域が大きな特徴だ。
また、同窓会・学会サポート事業では、組織の基盤となる名簿の調査・管理から、同窓会・学会の事務代行、名簿や会報などの印刷・出版、WEB同窓会システムのほか、同窓会コミュニティ会員サイト『ビキタ』の運営も行う。こうした幅広い事業領域をより多角的かつ効率的に展開するべく「ユーザーローカル ChatAI」(以下、ChatAI)を2024年4月に導入した。「セキュアな環境で安心して活用でき、しかも業務の生産性向上に大きく寄与している」というChatAIの活用方法について、同社の竹内氏、菅氏のお二人にお話を伺っていく。
導入背景
全社的な生成AI活用を想定して、セキュア且つリーズナブル、さらに使い勝手の良さも決め手となりChatAI導入を決定
確かな印刷技術をベースに、デザイン、出版から封入発送、顧客管理やITマーケティングと多彩な事業領域を誇る『小野高速印刷株式会社』。ChatGPTが話題になった当初から、「ChatGPTを代表する生成AIはどの会社でも必要不可欠な技術なる。この流れにいち早く対応すべき」という全社的な意向のもと、生成AIについてのリサーチをはじめた。導入を想定したリサーチにあたってはDTPオペレーターをはじめ、システム室や営業担当、出版事業部、総務部など幅広いメンバーで7名のチームを結成したという。
プロジェクトチームの竹内氏は「生成AIは特定の部署だけが使うものではなく、全部署全社員が使う可能性のある技術です。ですからリサーチの段階から、弊社のありとあらゆる部署での活用を想定するために各部署からメンバーを選出して生成AIのリサーチを始めました。生成AIの社内利用についてリサーチを進めたところ、選定のポイントになったのは、セキュリティ面に加えてコストと機能性です。生成AIを使うことで情報漏洩などに繋がってしまうようでは、社員は安心して利用することはできません。また多くの社員が使うことになりますので、使いやすいUIや機能面、またコストの部分も非常に重要な点でした。そこで出会ったのが、ユーザーローカル社のChatAIです。ChatAIはセキュリティ面がしっかりとしていて、しかもとてもリーズナブル。セミナーに参加したところ、活用方法や社内展開の効果的な方法も丁寧に教えてもらえたことも大きかったですね。当社が求めていたツールだったうえサポートもしっかりしていて“これなら安心して導入できる”と感じました」と振り返る。
まずはトライアルで、社内各部署から生成AIを活用したいモニターを27名募り、メンバー7名を加えた34名でテストし、利用モニターにアンケートを実施したところ、シンプルに使えて機能面も充実しているという感触を得ることができたという。また直感的に操作できる管理画面では、利用状況などの管理のしやすさも実感。利用に関するガイドラインをしっかりと作成したうえで経営層にプレゼンを行い、2024年4月に全社導入の決定に至ったという。
導入にあたっては、社内ポータルサイトでChatAIの利用希望者を募り、ユーザーローカル社が開催するセミナーへも積極的に参加してもらうよう促した。また、利用者の意見をまとめて社内展開するなどの周知も行った。現在では社内の9割以上が登録し、ChatAIを活用しているという。
活用方法
文章校正に特化したプロンプトテンプレートを作成
その他にもデザインやコピーの洗い出し、SNS投稿文の自動生成と、導入からわずか3か月で多彩な部門でChatAIが躍動
総務部の菅氏によれば「ChatAIを使った文章の下書き作成や校正は、どの部署でもよく使われるユースケースの1つです。私は社内で、SDGs推進委員として活動しており、定期的に社内広報誌の作成などを行っています。例えばSDGsに関する広報誌を作ろうとすると、SDGsに関する情報を調べて整理し、広報誌用の文面を作成して、誤字脱字など文章の校正をする必要があります。そういったすべての業務を今までは手作業で行っていましたが、ChatAIを利用するようになってからは、文章の作成や校正など8割程度の作業はChatAIが対応してくれて、少し手直しするだけで資料が出来上がるようになりました」。
ChatAIでは、職種ごとに使える100種類以上もの「プロンプトテンプレート」を実装しているが、同社では文章校正に特化したテンプレートを作成し、共有・活用している。「当社は印刷会社で、さまざまなシーンで文章校正が必要となります。そこで当社の校正に特化したテンプレートが作れないかと考えまして、制約条件をテンプレートとして作成しました。まだ試行錯誤中ですので、より精度の高いプロンプトを考えていきたいと思います」とは菅氏。
以下の制約条件と文章をもとに校閲して下さい。
・文法の間違いを正す
・より適切な表現があったら訂正する
・同じ言葉なのにひらがな、カタカナ、漢字がある場合は、適切な方に訂正する
・漢数字と数字がある場合は、適切な方に統一する
・句読点の位置にも注意して、間違いがあれば訂正する
ここにテキストを入れる
・訂正箇所と訂正後の内容と理由を表にして述べてください。
・校閲後の文章は、訂正箇所を太字にしてまとめてください。
デザインやキャッチコピーの作成時のアイデア作りにも大いに活用しているという。竹内氏は「デザイナーがレイアウトデザインをする際に、仕様案や組み合わせる色のパターン案、制作物のテーマに即したキャッチコピー案などを複数提出する際にChatAIの意見も聞いてみている例も出てきています。また、面白いと感じているのは、提出前のデザインラフのフィードバックをChatAIに聞くという使い方。簡単に第三者目線での意見を得ることが出来ますし、これまでデザインやコピーの作成時に悩み込んでいた時間が、ChatAIの活用によってアイデアの気づきをもたらす時間に変化したと感じています」とも。
当社の出版事業『学術研究出版』では、Instagram運用もスタートさせたばかり。その投稿文章はすべてChatAIで作成。「投稿文についてもテンプレ化しており、投稿で紹介する書籍の紹介を絵文字付きで自動生成してくれています。毎回必ずチェックはしていますが、ほとんど人の修正を入れずとも投稿できています」と竹内氏。
さらに、ホームページ制作などの部門では、プログラムコードの作成や、WordやExcelの機能を拡張するプログラム言語(VBA)の生成にも活用されているとか。「驚いたのは、プログラムの知識がない人でもChatAIに聞きながらコードが組めるようになったことですね。まさに革新的なツールだと感じています」(竹内氏)。
効果・成果
文章の作成、校正といった活用シーンでは、これまでの工数・業務時間は軽減したうえ作業の質も向上
今後も自社の業務に特化した活用方法を探していきたい
導入前の想定以上に、各部門で活用が広まっているChatAI。文章作成・校正といった活用シーンにおいては「例えば、新聞広告に掲載する文章を作成する時でも、要約→校正→コピーのアイデア出しなど、これまで手間と工数、時間をかけていた作業で活躍してくれています。構成やテキストのアイデアまでもらえることを考えると、無駄に考える前に、ChatAIがすぐにアイデアを出してくれるので、従来と比較すると時間や手間は半減しているといっても過言ではないと感じています」と菅氏。さらに、文章の修正にかけていた労力は削減され、質が向上したとも。
さらに、菅氏は意外なChatAIの活用方法を教えてくださった。「仕事上のミスをしてしまった時に、なぜそのミスが起こったのかを“なぜだろう? なぜだろう?”と深堀りしていって、最終的に根本的な原因を突き止めた時に、その打開策をChatAIに聞くんです。そうするとミスを防ぐための方法を、自分の知識外のところからアドバイスしてくれるので面白くて。実は、ChatAIでこうした“なぜなぜ分析”をするのが個人的にハマっています(笑)」と“なぜなぜ分析”もテンプレート化している。
業務の相談や壁打ち相手に利用するのためのプロンプト
(ここに問題をいれる)
・テーマについてなぜなぜ分析をおこなってください。
・分析後には、対策を分かりやすくまとめてください。
・なぜなぜの結果を5パターン考えてください。
竹内氏は「プログラムのコード生成や、デザインのアイデア出しでは大きな効果が出ていると感じています。常に同じ画面で検索を続けられるので、検索ページを数多く開く必要がなく、とても便利です。今では検索ページで調べるよりも、ChatAIに聞く社員がどんどん増えています。また、個人で悩んでいた人が多いので、ChatAIという“相談相手”ができたことで、どちらも制作時間の短縮だけでなく、成長を促してくれたり、アイデアのきっかけを与えてくれたりする存在になっていることは大きな成果です」と語る。
「まだまだ活用できる可能性は大いにあります」という竹内氏は「メール業務が非常に多いので、メール文章作成の簡素化や、営業提案資料づくりに活用すれば、まだまだ工数削減・作業効率化につながると考えています。また、発送の部門では、ウエイトの高い“信書に該当するかどうかの文面のチェック作業”をChatAIで自動化できないか検討中です」とさらなる活用シーンを想定している。
今後について伺うと「さらにアクティブユーザーを増やし、まだChatAIを使っていない人にも広げていきたいと考えています。プロンプトの上手な使い方や社内の成功事例を通して、社内認知を深めるための“AI通信”もChatAIで作成できないか、そんなことも考えています。実際に数か月間活用してみてChatAIの使い勝手の良さ、機能の魅力は熟知できましたので、使ってもらいさえすればツールの良さは伝わると思っています。自信をもってみなさんに広めていきたいですね」と笑顔で語ってくださった。
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